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トラック事業者のアンケートによれば、大阪港〜神戸港の海上輸送(フェリー型の海上バイパス)の望ましい利用コストとして「高速道路利用費用と同じ程度」をあげる事業者が全体の半数を占めている。コンテナの輸送コストはトラック事業者の負担となるため、運送に係る費用は可能な限り抑制する必要があり、その目安は現在支払っている高速道路料金ということになるのであろう。
イ)所要時間
次に、海上バイパスの所要時間については、「陸上の走行時間と同じくらい」という考え方が示されている。
そこで、大阪港〜神戸港間の実際の走行所要時間を見ると、コンテナヤードでの待ち時間などを含めないで大体1時間である。したがって、道路に代わる海上輪送手段においてもこれがひとつの基準となる。

表6−5 大阪港〜神戸港間の陸上輪送所要時間

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阪神高速道路や国道43号など、コンテナ積載車両の利用が多い道路は時間帯によってはかなりの渋滞が生じることもあるが、渋滞がなければ大阪港〜神戸港で高速道路利用の場合60分以内で走行できる。
ウ)利便性などその他の条件
コスト、所要時間以外の輸送条件(定時性、利便性、安全性など)については、トラック輸送においては特に問題はない。海上輪送では海陸の結節点において荷役が必要であるが、トラックはドアーツードアで積み替えの必要がなく利便性は高い。また、渋滞さえなければ定時性も確保しやすく、荷傷み等の心配も少ない。したがって、トラックを基準にして考えると、海上輪送手段に対しては「運行回数を多くし、待ち時間を短くする」、「船舶の発着地を便利な場所にする」といった条件が求められることになる。
トラック事業者が海上輪送に求める条件は以下の図のとおりである。

 

 

 

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